ガラスは人の手で生み出す人工的なものですが、葉っぱに滴る雨の雫、溶け出した艶やかな氷、海の水面模様など、どこか自然を感じさせてくれものだと思います。硬質素材なのに柔らかさや優しさ繊細さを持ち、涼しげで温かみもあります。そんな、事実とイメージが相反する不思議な素材に魅了され、ガラスアクセサリーを制作しています。
ランプワークとは、ガスバーナーを使ってガラス棒を溶かして成形する、ガラス工芸の一種の技法です。型を使わずに、工具を使ってつまむ、伸ばす、押し当てるなど、様々な工程を繰り返して制作するため、形も厚みも不均一です。その歪さや、溶けて固まったぽってりとした質感がランプワークで作るアクセサリーの魅力の一つだと思っています。
ボロシリケイトガラスとは、試験管やビーカーなどの理化学器具として使われる硬質ガラスです。アメリカのヒッピーカルチャーからガラスアートとして誕生し、日本にも普及した比較的新しいガラス工芸です。透明度が高く強度、耐熱性の強いガラスで、酸素バーナーの2000℃にもなる炎で溶かし成形します。
3500年も前からメソポタミアやエジプトで作られていたと言われるガラスビーズ。日本ではとんぼ玉と呼び、古くから装飾品として愛されてきました。エアーバーナーを使い1000℃程の炎でソフトガラスを溶かし作業します。様々な技法を駆使し、穴の空いた小さなガラス玉の中に花やレース模様などを表現します。